ちょっと私のことを・・・番外編①
2018年 10月 01日
前回のお話の、この部分↓を取り上げます。
(※この辺が複雑、通信制高校過程を履修しつつ、音楽隊を目指して入った陸自!(横須賀→東京市ヶ谷駐屯地=現在は防衛省)、意に反して射撃強化の中隊に配属されましたが(射撃の成績が良かったから…)、ある一枚のレコードを隊舎のステレオの有る会議室のような部屋で夜な夜な聴くうちに、居てもたってもいられず、音楽へ向かうべくまた退職してしまう…)
十代の後半、何とか音楽に進める方法はないかと考えていましたが、たまたま足を運んだ所謂「職安」(現在はハローワークなどと言っていますが、う~ん、何だろう…変ですね。)で、よくある話らしいのですが、勧誘の人(自衛隊地方連絡部の)に声を掛けられて相談したところ、こうゆう事を言われたんです。
「自衛隊の音楽隊なら、君の希望はすぐに叶いますよ、推薦してあげますので先ずは入隊して配属を期待してください」
何せ40数年前のお話で正確にこのように言われたのかは記憶が怪しいところですが大意です。
そして入隊となりますが直前になって運の悪いことに帯状疱疹という病気にかかってしまい、本当は安静にしていなければならなかったはずですが、何故か入隊にGOが掛かり治療・投薬をしながら横須賀の武山の教育隊からスタート。夏場でしたが汗をかいても風呂に入れずひとりシャワーを使っての毎日。
まったく何をしていたのでしょう??
更に私はその時点でまだ高校中退つまり中卒、本当は採用は高卒以上の筈なのですがここでもOKが出て入隊と同時に通信制高校過程の勉強を始め、たまに隊舎を抜けてスクーリングに通っていました。我ながらよくやっていたとは思います。
自分の我儘からいろんな苦労を買って出ているみたいな10代の終わり…
そしてこんな私ですが、毎日の訓練でくたくたになり、しかしそれなりに鍛えられ食事もモリモリと、体重は入隊前から5㎏ほど増加。と言っても贅肉無し、入隊後初めての帰郷では見違えたような風貌に(丸刈りだったし)家族をびっくりさせたものです。
ところが、音楽隊への希望は「枠空かず」という一言でなかなか叶えられる様子がなく、その代わりに私はなぜか射撃訓練で好成績を上げまくり、意に反して○○連隊第〇中隊という(一応伏せておきます)射撃強化部門へ配属となりました。
まあ、自分にそんな才能があるのか全く自信はありませんでしたが、もしかすると続けていたら狙撃手やオリンピック選手にでもなっていたかも? なんて…
さて、時々の外出で何枚かのレコードを買い、毎日の訓練が終わると高校過程の勉強と前記のように夜ひとり音楽鑑賞をしていたのです。
ジャズ系が主(今覚えているのは渡辺貞夫の一枚とハンク・ジョーンズのソロピアノ盤=今も持っています)でしたがその中に当時の購入動機はまったく思い出せませんがアルゼンチンタンゴの一枚がありました。
それがこれです。
これは今も大事に持っていて時々聞くレコード。アナログは本当に良いですね、どうしても手放せない盤が数十枚手元にあります。
これは「今も甦る感動のピリンチョ五重奏団」というタイトルで今調べても出てこない盤ですが、タンゴの名曲が両面に収録されていて録音もすばらしい。なかでもバンドネオンのボタンの弾ける音や蛇腹の動く音と空気感、ピアノ、バイオリンの至芸、そしてコントラバスのゴルペ奏法(胴を叩いたりする奏法)の迫力に聞くたびにうっとり、何よりもタンゴ音楽のノスタルジックでいて情熱を感じさせる躍動感と、そして望郷の思い溢れる詩情豊かな音楽性に打たれて、夜の会議室で聴きながら溢れる涙を抑えきれなかった。その涙は私が音楽に求めるもののひとつを確信したからだと思います。
それは、まるで青春ドラマのコピーみたいですが「希望」と「勇気」ですね。
この一枚のレコードは私に希望と勇気を与えてくれたといえば大げさですが、音楽を目指して焦っていた自分を鼓舞してくれたもの。
実をいうとタンゴそのものは好きな割にはそれほど詳しくはないのですが。このレコードの演奏が好き過ぎて他のタンゴの音源を聞いてもピンとこないことがよく有るのです。
もしかするとこの一枚に出逢わなかったら随分と違う人生になっていたかも・・・しれない?
・・・
番外編は続く、たぶん次はユーミン編です。
by bossaccordeon
| 2018-10-01 23:58
| 私は誰なのか?
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